数多くの情報番組やバラエティ番組に出演して、硬軟自在に的確なコメントをくり出し、全国各地で笑いの絶えない講演会をくり広げ、大学の教職課程では教師の卵たちを前に実践的な教えを展開する齋藤孝 明治大学文学部教授。
むずかしい話も、わかりやすく、ゆかいに、さらに深堀りして教えてくれる『アウトプットする力』は、まさに日本最高峰。その齋藤孝先生が、「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法を教える。
インターネットの情報でインプット過剰になっている今、勉強でも仕事でもプライベートでも、成果を最大化するには、実は「インプット1:アウトプット9」の“超アウトプット優先”がいちばん効果的。
アウトプットは練りに練った1本より「数」で勝負。齋藤式「15秒」アウトプット術で、成果を最大化する「知的発信法」を身につけよう!

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 私が何度でも強調したいのは、アウトプットする行為は、とにかく「純粋に楽しい」ということです。

アウトプットは、技術がどうこう以前に、するだけで生き生きしてくるところに魅力があります。つねにアウトプットしている人は、何か活気を感じさせるのです。

 逆に、たくさん勉強したり働いたりしているのに、なんだかドンヨリとした雰囲気をまとっている人もいます。

 私の学生時代にも、“図書館の主ぬし”のような人がいました。彼は読書してインプット量を増やせば増やすほど、なんだか覇気がなくなっていくように見えたのです。

 あるとき、そんな学生の1人を、仲間と行っている読書会に招いたことがありました。ドイツの哲学者であるハイデガーの本を原書で読むという読書会です。

 そこで発言をうながすと、その学生は一気にスイッチが入り、怒濤のように語り出しました。

 今まで大量にインプットしてきた知識を思う存分吐き出したかのようだったのです。

 読書会に参加していた私たちにも、その人の頬がみるみる赤らみ、声にハリが出て、生気がみなぎってくる様子が手にとるように伝わってきました。

「あんなによどんで暗い顔をしていた人が、こんなにも生き生きと話すなんて!」

 そんなふうに思わされるほど、とにかくとても幸せそうに見えました。