フジテレビの人気番組「ホンマでっか!?TV」の「筋金入りホンマでっか!?」コーナーで、がん研究医のサウナーとして登場した加藤容崇先生。サウナに関する世界最先端の研究論文を読破し、多くの実験を繰り返して実証されたサウナの医学的効果を書いた著書「医者が教えるサウナの教科書」から、「塩サウナ」で肌がつるつるになる理由をご紹介します。

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塩で磨くから肌がきれいになるわけじゃない

 塩サウナで体に塩を塗ると、肌がつるつるになると思います。
もしかすると、「ザラザラしたもので肌を磨いているから、皮脂が取れてきれいになるのかな」と思って、ゴシゴシ磨いている人も多いかもしれません。しかしこれは間違い。
 塩サウナで肌がつるつるになる本当の理由は、「皮脂が取れるから」ではありません。答えはむしろ逆。「新しい皮脂によってコーティングされたから」なのです。

 まず、塩を体に塗ると、浸透圧(塩が水分を吸収する力)によって汗がたくさん引っ張られます。それに加えて、サウナ室の熱によって交感神経が活性化され、交感神経が支配している「アポクリン腺」が刺激されます。アポクリン腺から出る汗は白濁していて、脂質やたんぱく質などを多く含んでいます。これは、「皮脂膜」という、肌を保護する薄い膜の元となるもので、肌に潤いを与える天然の保湿成分のようなものです。

 つまり、塩を体に塗ると、新しい皮脂を作り出せるということ。古い皮脂は、水分を保持する能力が落ちているのでカサカサになりますが、塩によって引き出された新しい皮脂は保水力が高くみずみずしいので、つるつるの皮膚になります。

 だから、塩を体に塗ったら、すぐに洗い流すのではなく、せめて5分程度(皮膚表面の塩が汗で溶けるまで)は待ちましょう。そうすると、新しい皮脂が出やすくなります。

「古い皮脂や角質を溶かす」はウソ

 塩サウナで塩を塗り込むことで、新しい皮脂を分泌することはできますが、古い皮脂や角質を溶かすことはできません。
 一部のサイトには、古い脂や角質が溶けるという情報が載っていますが、間違いです。皮脂の主成分である脂肪酸は食塩では溶けませんし、皮脂の融点は60度くらいなので、サウナ室では到達しません。
海で体が溶ける人はいないのと同様です。

 塩サウナに入って皮膚がつるつるになるのは、新しい脂質によって水分が保持できるようになり、バリア機能が上がるためです。