上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
今回は、「管理会社の変更」について。「変更ありき」ではなく、現状の問題を区分所有者に広く知らせ、どうすればいいのかという選択肢のひとつとして検討していくのがいいと思います。

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現状と同じ条件で、まずは見積りを取る

 管理会社の変更の手続きは、図表52のような流れで進めます。

 まず、現状の契約内容や業務の実施状況、あるいは管理会社に支払っている管理委託費の妥当性などをチェックします。契約内容によってはその後の手順が違ってきますし、交渉材料として管理会社の手抜きやミスがないか調べる必要もあります。理事会だけで行うのが難しい場合は、第三者の専門家を活用すると良いでしょう。並行して、区分所有者に管理会社の変更を検討している理由やこれまでの経緯について、丁寧に説明します。アンケートを実施し、意見を聞き、問題を共有することも重要です。

 変更先の候補を探すには、先ほど説明したようにインターネットで調べたり、業界紙を利用する方法があります。また、コンサルティング会社など第三者の専門家に依頼し、推薦してもらうのも効率の面で良いでしょう。

 その後、見積りを取得します。ここで大事なことは、現状の業務仕様と同じにすることです。これによって、合計金額だけでなく、項目ごとに各社の見積金額を客観的に比較できるようになります。また、この段階でいまの管理会社にも見積りを取り、どれくらいまで下げられるのか、再度確認します。

 こうした情報が揃ったら、区分所有者向けの説明会を行います。各社の担当者に自社の強みや特徴をアピールしてもらうのです。そして、参加者の意見をアンケートで確認し、理事会で変更するかしないか、するとしたらどの管理会社にするかの方針を決定し、総会にかけます。

 管理会社の変更はより良い管理を実現するための手段であり、最初から「変更ありき」で進める必要はありません。変更の可能性を交渉の手段に使えばいいのです。

(本原稿は、ソーシャルジャジメントシステム編、廣田晃崇著『マンション管理はこうして見直しなさい[新版]』からの抜粋です)