つい先日、とある大手企業の新入社員研修を行う機会がありました。今年はオンライン研修ということで、よりいっそうこの点を重視し、大げさに「うなずく」練習をしてもらいました。プログラムの最後で各自が軽いプレゼンテーションをするのですが、その際、他のメンバー全員が大きくうなずく様子が画面越しに映っていました。それを見たことで発表者も、「オンラインだったけどストレスなく話せた」「話が通じていると実感できた」等と述べており、全体としてポジティブな反応が多かったです。

 聞き手がうなずくことは、話し手の話しやすさに大きく影響します。オンラインであればなおさらです。慣れないことばかりの新入社員の皆さんも、うなずくことのパワーを実感し、それが、お互いを労わるというコミュニケーションの形の第一歩だと理解してくれたようです。

 これは低文脈世界での、新しい「気遣い」と言ってもいいでしょう。うなずき方を見ただけで、コミュニケーション力が推し量れると言っても過言ではありません。

低文脈、グローバル・モードにシフトするなら、今がチャンス

 このように、リモートワークがスタンダード化するにつれて、日本ローカルの高文脈コミュニケーションから脱却し、低文脈に切り替えることが必要となってきます。そして今後は、日本のビジネス環境そのものが、さらにグローバル標準に近づいていくことでしょう。

 すでに、「定時勤務」や「働く姿勢」に影響が出てきています。働いている姿が見えない分、「頑張っているか」「頑張っているように見えるか」にさほど意味はなくなり、純然たる「アウトプット」で評価されるべき時代になるでしょう。「無駄な時間は使いたくない」という共通の思いの下で、だらだらした会議、意味のない会議、わざわざ集まる必要のない会議はカットされ、集まる意義がある、あるいは、きちんとアウトプットを出す会議だけが残るようになります。

 この新しいグローバル・モードにおいては、求められる仕事のスキルはどう変わっていくでしょうか。次回から、本書の目次に沿って具体的に紹介していきましょう。