近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えします。
偏差値だけを見て学校選びをしているご家庭の志望校を見ると、付属校と進学校をごちゃごちゃにしていることがよくあります。しかし、これは賢い選択ではありません。付属校と進学校では、前項でお話したように出題傾向が全く違うため、子どもはなかなか対応できないからです。
たとえば女子御三家を第一志望にしている生徒で、慶應中等部を併願する子は多いのですが、御三家は合格しても慶應中等部に不合格になるケースがあります。これは慶應中等部の問題が易しいために、あまり対策をしないで臨んでしまうからです。付属校の入試問題は、難関進学校からみると易しいのですが、対策がいらないわけでは決してありません。
偏差値で学校選びをすると、このような罠にはまります。付属校志望の皆さんには、このことをぜひとも知っておいていただきたいと思います。
前項でもお伝えしたように、偏差値の高い学校には入りにくく、偏差値が下がるにつれて入りやすくなるというイメージを持っている方がほとんだと思います。確かに大きな傾向としては間違っていませんが、実際には、合格の鍵を握るのは「出題傾向」との相性です。
まず、出題傾向とは「入学試験で出される問題の特徴のこと」です。「どんな特徴の問題が出やすいか」ということです。すべての学校でその傾向は違います。たとえば付属校のトップをいく早稲田と慶應でも違いますし、早稲田の各校(早稲田実業、早稲田中学校、早大学院など)でも、慶應の各校(慶應普通部、慶應中等部、SFC)でも違っています。