現状把握、ゴールの設定、実行フェーズ

・STEP1「現状把握」

 理想と現実のギャップを認識するために、まず現実を共有します。現状がいけてない/まずい状態であればあるほど、それを解決する会議体の存在意義が高まります。

 また、効果的な施策を打ち立てるためにも現状把握は欠かせません。すべての会議は理想に近づくために行われる以上、出発点を把握することは最重要マターと言えるでしょう。

 問題自体をきちんと把握すること、そして問題が起きている周辺を全体で共有することが第一歩です。自分たちの状態、競合や環境の状況、過去に何があったのか、未来予測はどうなっているか、ヒアリングや調査を通じて様々な情報を集め、共有していきます。

・STEP2「ゴールの設定」

 現状の把握が終わったら、次に近づいていくべき理想の姿を定義します。ここが曖昧では、具体的な施策につながりません。この会議体が目指すべき現実的なゴールを議論し、結論付け、チームとして共有します。

 合理的な考え方の一助になるよう、有名なフレームワークや分析ツールのなかから、コミュニケーションの可視化に役立つものを取り上げました。

・STEP3「実行フェーズ」

 最後に、現状と理想(ゴール)をどうやって具体的に埋めていくかを議論します。ギャップを解消するための打ち手を効率よく効果的に決め、具体的なタスクに落とし込んでいきます。誰が、いつまでに、何をするかまで、道筋を立てて一気にたたみかけるフェーズです。

 こうして導き出されたアクションプランのリストこそが、現状と理想のギャップを埋める具体的な地図であり、会議のアウトプットとなるものです。

よい会議は、理想と現実のギャップを埋めていく
児玉教仁(こだま・のりひと)
イングリッシュブートキャンプ株式会社代表
ハーバード経営大学院 ジャパン・アドバイザリー・ボードメンバー
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー アドバイザー
静岡県出身。静岡県立清水東高等学校を卒業後、1年半アルバイトで学費を稼ぎ渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学を経済学・政治学のダブル専攻で卒業後は、シアトルでヘリコプターの免許を取得後帰国。1997年4月三菱商事株式会社入社。鉄鋼輸出部門に配属され様々な海外プロジェクトに携わる。2004年より、ハーバード経営大学院に留学。2006年同校よりMBA(経営学修士)を取得。三菱商事に帰任後は、米国に拠点を持つ子会社を立ち上げ代表取締役として経営。2011年同社を退社後、グローバル・リーダーの育成を担うグローバル・アストロラインズ社を立ち上げる。2012年よりイングリッシュブートキャンプを主宰。イングリッシュブートキャンプ社代表も務めるかたわら、大手総合商社各社をはじめ、全日本空輸、ダイキン等、様々な国際企業でグローバル・リーダー育成の講師としてプログラムの開発・自らも登壇している。