最近はお店で販売員に声をかけられたくないというお客さまの声に配慮し、「声をかけないように」と指導するところもあるという。しかし、額面どおりに受け取っていいのか。上手に声がけすれば買ったかもしれないお客さまを逃しているのでは?お客さまにしてみれば「無視された」と感じている可能性もある。ここでポイントになるのは「笑顔」と「動き」。現場での調査から得られたコミュニケーションの技術を見ていこう。

お客さまとの距離を200センチから85センチに縮めるもの

 お店の雰囲気や接客について語るとき、いちばんのポイントになる笑顔。
一人ひとりの販売スタッフが感じのいい笑顔でお客さまに接しているお店は、自然にいい雰囲気に包まれるようになります。

 そうした、どことなくなごやかな感じのお店には、ほかのお客さまも入りやすくなります。最初のお客さまを呼び込める、いわば「招き猫」の役割を果たすのが笑顔なのです。

 笑顔は、お客さまとの距離を自然に縮めてくれるのです。

 以前、「お客さまとの距離における不快範囲」調査をしたことがあります。僕がコンサルティングをしている某有名海外ブランドショップで、販売スタッフたちと一緒に実験を行なったのです。

 お客さまと接する際の販売スタッフの状態、表情を三種類に分けて、それぞれのお客さまの反応を調べてみました。