過去への逆行を防ぐ管理も必要
露店経済の3つのデメリット

 中国経済の浮上にプラスとなると見られる「露店経済」だが、一方で次のような問題点もある。

 1つ目の問題点は、街の景観を損ね、雑然とした街に逆戻りしてしまうことだ。冒頭でも述べたように、ネット上では「昔に逆戻りした」「屋台が多くなったから、歩きづらくなった」という声がある。

 人民日報系国際紙『環球時報』の胡錫進編集長も、自身が執筆した記事で、「露店経済」自体はいいものだと認めた上で、「私の家の周辺が、若いときのような汚く雑然とした屋台で埋め尽くされるのは望まない」と述べ、「露店経済」を現在の実情に合わせて変化させ、各地の実情に合わせた発展が重要だと主張した。

「露店経済」が地元の実情に合わないという議論は、大都市に多い。「北京は露店経済が合わないのか」と題した評論も、「露店経済」自体を否定してはいないが、街の景観と交通の面でデメリットがあり、各地の実情に応じて行うべきだと指摘している。

 2つ目の問題点は、食品の安全の基準が厳守されにくくなることだ。筆者が1997年に旅行で北京を訪れたときは、案内してくれた人から「屋台のものは食べないでください。食当たりしやすいので」と注意された。当時は食の安全について、人々の意識が低く、食の安全に関する法律なども未整備だった。そのため、留学したばかりの頃、屋台のものを食べて、食当たりしたこともあった。

 だが、今は人々の「安全意識」が高まっており、食の安全を保証できない店を敬遠しがちだ。今は食の安全を守るルールも存在しているため、普通の店で食べれば、食中毒になるということは少ない。だが屋台の場合、増えすぎると管理の目が行き届かなくなるため、食の安全を保証しにくくなる。

 3つ目の問題点は、信用・誠実に反する者がいるということだ。屋台というと、儲けるために、消費者を言葉巧みに騙してモノを売りつけるという悪いイメージもある。もちろん真っ当な商売をしている人もたくさんいるが、羊肉を使っていない羊肉の串焼きを売ったり、ニセモノのかばんを本物だと言い張って売ったりする店主がいた。