本来、歯を見せた笑顔は最も自然で楽な表情であり、本能的なものなのに、形式に縛られて自然な笑顔が出なくなっている人が多い。まず、口角を上げ、スマイルマークの口元をつくることから「笑顔の技術」を身に付けよう。

 笑顔は心を上手に伝える「技術」

 スマイルが文化として根づいている欧米の人たちには、日本人の笑顔ってどんなふうに映っているんでしょうか。
「曖昧な笑いや愛想笑いは得意だけどちゃんとした笑顔は苦手」という印象かもしれません。

 たしかに、日本ではちょっと前まで「男子たるもの歯を出して笑ってはいけない」と教育されましたし、女性も笑うときは口元を隠していました。

 僕たち日本人には笑顔を不謹慎としていた時代の影響がまだ残っていても不思議じゃなさそうです。 

 僕は、笑顔が苦手な人なんていないんじゃないかと思っています。

 笑顔は人間の本能です。疲れるものでもありません。

 特に歯を見せた笑顔は最も自然で楽な表情なんです。

 もし笑顔が疲れるものだったら、赤ちゃんはあんなにいっぱい笑顔をふりまけないはずです。実際、30以上あるといわれている表情筋のうち、笑顔になるときに使うのは7つくらいだといわれています。

 オギャーと生まれた赤ちゃんも、3ヵ月くらいになると特に相手の顔に意識を集中し、関心をもち始めます。目が合うとニコニコニコ、赤ちゃんのエンジェルスマイルは、見る人の心を笑顔にするパワーがあります。