「テレワーク」は6割も
ツール導入は同程度に進まない現状

 BCPの策定は難しくとも、コロナ禍でも事業を継続するためにさまざまな施策を行った企業は多い。では、具体的にどんなことに取り組んでいるのだろうか。

「今後取り組む予定・取り組んでいるBCP関連の施策」について尋ねたところ(複数回答可)、最も多かったのは「テレワーク(在宅勤務)」で約6割に上った。次いで多かったのが「テレビ会議の導入・強化」で54.76%だった。

 テレワーク下では自宅などの環境で作業するため、オフィス以上にサイバー攻撃に警戒が必要だといわれているが、「セキュリティの強化」に取り組んでいると答えた人は38.44%だった。またテレワークによって社員同士のコミュニケーションが難しくなるという問題が至るところで起きている一方で、そうした課題を解決する一助となる「コミュニケーションツールの導入」は約3割にとどまった。

 テレワーク(在宅勤務)を導入する企業が増えているものの、それに必要なツール、サポートシステムの導入などは同程度には進んでいないことがうかがえる。テレワークでもオフィスと同程度の勤務環境を作るためには、これらの導入も同時に検討することが必要だろう。

 調査を行った5月時点でコロナによる経営への影響について尋ねたところ、「とても悪化」「悪化」と答えた人が約77%に上っており、感染拡大の第2波、第3波への懸念が高まる中でより厳しさが増していくことが予想される。

 しかし、コロナ禍では悠長にBCPを策定している暇はない。自社の状況を俯瞰で見て、足りない部分の優先度を考えて行動に移すべく、「あなたの会社のコロナ対応レベルがわかる『48チェックリスト』」などを参考にしながら、コロナ禍を乗り越える方策を考えていただきたい。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)