新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

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いま、人気の習い事は?

 習い事は、子どもが好きなことを見つけ、自信をつけるきっかけになります。ところで、いまの小学生はいったいどんな習い事をしているのでしょう。

 2019年8月に学研教育総合研究所が小学1~6年生の親子1200組を対象に行なった調査によると、いま小学生がしている習い事は、1位が「水泳」、2位が「受験のための塾・学校の補習のための塾」でした。3位は「通信教育」、4位「音楽教室」、5位「英語塾(読み書き中心)・英会話教室」と続いています。

 塾や英語など勉強系の習い事が比較的多く並んでいますが、ベネッセ教育総合研究所の「学校外教育活動に関する調査2017」でも、「運動やスポーツをするよりももっと勉強をしてほしい」かを問う質問に対して、4割に近い保護者が「とてもそう思う」「まあそう思う」と答えており、2009年の調査に比べて13%も増加しています。

 その傾向はとくに低年齢で顕著で、未就学児の保護者では14.4%から27.4%と、2倍近くになっています。こうした調査結果からは、保護者の「勉強重視」の傾向が強まっていることがわかります。

 今年から、大学入試はこれまでのような学力試験いっぺんとうではなく、思考力・判断力・表現力や主体性といった多面的な評価への変革を掲げていますが、変革の中身がいまだ見えにくく、不安に思う保護者が増えているのかもしれません。

 では、子どもの習い事選びを上手にするにはどうすればよいでしょうか?

「いい習い事、ダメな習い事」とは?
──子どもの「好き」を優先できるかどうか

 教育学者の白梅学園大学・汐見稔幸名誉学長は、子どもの習い事で親子の意見が衝突したときには、必ず子どもの「好き」を優先してあげてほしいといいます。「これが好き」「上手になりたい」という強い意志が大切で、とくに小さい子は、やっていて「面白い」と思えることがないと続きません

子どもにぴったりの指導者・指導法を探す

 汐見学長は「親の目から見て『子どもをやる気にさせるのが上手』『自分が子どもだったら教えてもらいたい』と思える先生がいたら、そこに入れてみること」を勧めています。習い事の種類で決めるよりも、「この指導者やこの教え方なら、子どもが好きになりそう」という視点で選ぶほうがいいといいます。

最初に「目標」を決める

 教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、習い事を始める際は、最初に目標を決めておくことを勧めています。たとえば水泳なら、「25メートル、クロールで泳ぎ切れるようになること」など。”級”が付く習い事ならどの級までがんばるか、目標を立てます。

 あるいは、「途中でしんどくなっても半年間は続ける」「〇年生の発表会までがんばる」などと、期間を目標にすることもできます。

 目標を達成できたら、さらに続けるかやめるかを、改めて子ども自身に決めさせます。

 受験と重なるなど、一時的に続けるのが難しくなる時期もありますが、子どもがやめたいと言わないかぎりは、細く長くでも続けたほうがいいと汐見学長はいいます。人生100年の時代には、その習い事が長い人生を豊かにする生涯の趣味になるかもしれません。

最後は「ポジティブ」に終える

 もし、子どもが自分からやめたいと言ってきたなら、そのときも最初に決めた目標がきりのよい「やめどき」になります。

 おおた氏は、「習い事はやめどきが肝心」だとし、「区切りまで到達してやめると『よくここまでがんばったね』『よく目標を達成したね』と、ポジティブなかたちで幕を閉じることができる」といっています。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)