生き残れない組織
コロナ禍を生き残れる組織、生き残れない組織の違いとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「人員削減や採用ストップなどによって不安を抱える社員が多く、社内の雰囲気が悪くなった」「今まで当たり前に必要とされていた商品が売れない」……。これまでのビジネスの根本が覆され、雇用にも影響を及ぼしているコロナショック。変化の時代においては、従業員一人ひとりが自ら考えて動ける自律的な状態にしなければ、企業がたやすく崩壊してしまう恐れもあります。では、自律的な組織とはどのように作ればよいのでしょうか?
ビジネススクールを運営するグロービスで人事業務に従事し、人材マネジメントの講師でもある良田智雄氏が、withコロナ時代を生き残ることができる組織づくりのポイントを解説します。

劇的な変化を生き残れる組織の条件

 beforeコロナの時代も、人工知能の台頭やIT技術の進歩によるビジネス環境の変化は起きていました。時代に応じて戦略を変更し、それを実現できる組織や人材が、これまで生き残れてきたといえます。シェアカーや電気自動車など、自動車産業の技術革新に対応するため、新たなモビリティ事業を生み出そうとしているトヨタ自動車がその代表格です。

 今回のコロナ禍も、ビジネス環境を劇的に変化させています。報道などでもリーマンショックとコロナショックがよく比較されますが、リーマンショックの場合、発生してから実際のビジネスや生活に影響が出るまで、時間的には猶予がありました。変化を察知し先んじて対応ができた組織は、震源地である米国ほどの影響は出ませんでした。

 一方コロナショックは、時間的な猶予があまりなかったために、緊急事態宣言が出されたタイミングで、突然営業ができなくなった企業もありました。「明日から1円もキャッシュが入ってこない」ような状態に陥った企業も少なくないでしょう。事業環境が変化するスピードは、リーマンショックの比ではありません。まさに劇的な変化といえます。

 そのような変化の中で、いかにスピーディーに対応することができるか。変化に強い組織は、指示を待つだけでなく、従業員一人ひとりが、自らの役割について理解し、自律的に考えて動ける組織であるのは間違いありません。

 例えばリクルートは、創業者の江副浩正氏によって作られた「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という旧・社訓に象徴される、変化に対して自律的に動ける社員の多い組織で知られています。常に事業環境は変化することを前提に、チャレンジし続ける企業であり、実際に社員発案の新規事業が生まれています。