極端な駅近信仰は薄まるが
「これからは郊外」ではない
コロナによって、住宅の「都心・駅近・タワーマンション」信仰は、テレワークの浸透で絶対的なものではなくなった。都心の駅に近い物件を購入する場合でも、価格が高くて狭くて、仕事をするには手狭であれば、自分のライフスタイルにはなじまない。住環境に仕事環境の要素が加わる。仕事だけでなく、「映画を家族で見るより、おうちでドラマ」「レストランで食事をするより家族で料理」と、リビングやキッチン環境もより充実すべきだ。
一方で、「さあ、テレワークだし、どんどん郊外だ」という選択肢もあまりおすすめしない。高額所得者が別荘を買ってコロナ疎開をするとか、2拠点に住むなら、それもかまわないが、さもなければ、資産価値の下がりにくい通勤圏内で探すべきだろう。子どもが独立すれば、さほど広くなくてもかまわない。転職すれば、テレワークではなくなるかもしれない。ライフスタイルの変化に対応しやすい、「売りやすい」立地には今後もこだわるべきである。
いわゆる不動産会社のセールストークとして「これからは郊外で買うのがニューノーマルですよ」と言われるかもしれない。そうした言葉だけをうのみにせず、ご自身のニューノーマルなライフスタイルを大切にして、住み替え検討は長期的なスパンで考えてほしい。