「感染者や濃厚接触者の個人情報。
企業も管理しなければいけませんか?」

Q2. 個人情報を扱うのをなにかと嫌う社風です。それでも社内で感染や感染が疑われるケースが発生した場合、感染者や濃厚接触者の管理は必要ですか。保健所が管理をしてくれるはずなので、必要がないように思っています。

 従業員がコロナに感染したり、濃厚接触者になったりした場合、なぜ、その情報を管理しなければならないのか。それは、そうした情報の管理が「確実に」感染拡大防止につながるからです。このシリーズでも、「もし社員がコロナに感染したら『すぐに・絶対』やるべき2つの対応」という記事で管理方法を紹介していますので、参考にしてください。

 上記の記事でも述べていますが、感染者や濃厚接触者の個人情報は「病歴」に関わる情報のため、要配慮個人情報として取り扱うことになります。

 そのため、感染者および濃厚接触者の情報は「極秘」扱いとして、厳重な情報セキュリティー管理が求められます。書類の場合には鍵付き書庫に保管しましょう。データファイルの場合には独立した極秘扱いのファイルサーバーに、暗号化を施し、さらにデータセンターにも暗号化を施した上で管理することを推奨します。

 確かに保健所は、感染者のケア、濃厚接触者の特定とケアを行います。当然ながら、保健所は厚生労働省が作成したマニュアル通りの方法でそれぞれ管理を行います。

 一方、企業側は、感染者およびオフィス内の濃厚接触者に関しては、企業として情報を持っておく必要があります。感染の疑いがある社員が判明した直後から、濃厚接触者を特定することで、すぐに彼らを家に帰し、逐次状況を報告してもらうなどの処置が素早くでき、保健所に情報を伝えることもできます。