Uberは、なぜここまで流行ったのか?

 CXに寄り添った事例としておなじみなのは、Uberだろう。日本だとUberそのものよりUber Eatsのほうが普及している。Uber Eatsを使ったことがある人も多いはずだ。

 デジタルディスラプション(デジタルが既存産業を破壊)の典型事例として紹介されるUberは、ITを使って顧客に喜びと驚きを届けている。

 Uberを初めて使う人は、ドライバーとのマッチングが完了すると、スマホのUberアプリ上の地図に車のアイコンが表示され、自分のほうに近づいてくる様子がリアルタイムに見えることにまず興奮する。決済もクレジットカードで自動的に行われ、ここでまた「ワオ!」と驚く。

 DXで一番重要なことは、デジタル技術そのものに着目するのではなく、それらの技術によって実現できる、いままでにはなかった驚きと喜びに着目することだ。

 デジタル技術と体験とが結びつくイメージが持てるなら、アクセルを踏んで進めていき、イメージが持てないのであれば他のアイデアを検討していく。

 まず自分がワクワクするかどうかが起点。ある意味、遊びのようなもの。それができるかどうかで、DXの成功度合に雲泥の差が生じるのだ。