Abe(安倍)は
外国での知名度は圧倒的

 外交的な発展もした。長期政権でリーダーは「Abe(安倍)」という名前が継続したので、外国での知名度は圧倒的だ。2020年8月時点における主要国のリーダーの就任時期を見てみよう(ちなみに、イタリア、インドの大統領は元首であって政治的実権はないが、参考までに載せている)。

 日本はロシア、中国を別とすると、ドイツのメルケル首相の次に長期政権であり、世界における首相の知名度は抜群である。海外に行くと、それを肌で感じる。以前は日本の首相を覚えている人は多くなかった。一昔前だが、外国に住む人が一番知っている日本人の名前はオノヨーコであり、首相の名前が上位に来ることはなかった。今や世界で日本人トップの知名度は、Abe(安倍)である。

 安倍政権では日本は国際リーダーとしてTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で存在感を示した。当初は米国を含め12カ国で進めた構想で2016年に締結、2017年に米国が離脱したことを受けてそのまま無にならないよう発効を急ぎ、2018年には発効できた。

 これは日本の役割が大きかった。これほど日本が存在感を示し主導した国際条約はかつてない。

世界の政治家として
誰に対しても先輩という地位

 サミットでは、日本とドイツは世界の政治家として誰に対しても先輩であり、その知名度は群を抜いている。短期政権だとサミットのたびに新顔の首相がなんとなく登場し、何の印象もなく去ってゆくのだから雲泥の差だ。

 現在、世界の指導者のメンツを見ると、西側諸国で安倍首相を上回るプレゼンスを持つ人は見当たらない。日本としてはすごいことなのだ。

 なにより、あのトランプ大統領とうまくやっているのだ。米国からペナルティーが科されていないのは、経済大国ではほぼ日本だけ。

 これは、安倍首相個人の経験や資質に依存するものであり、大きな功績といえる。

 むろん、功もあれば罪もあろう。安倍首相には、いろいろな批判があった。