テスト前なのに勉強もせずゴロゴロして、スマートフォンをいじっている子どもを見ると、ついイライラしてしまうものです。そして、つい言ってしまいます。
「勉強しなさい!!」
しかし、子どもは親に勉強しなさいと言われるほど、勉強したくなくなる生き物です。「うるさいなあ」と言いながらも机に向かってくれればいいほう。「今やろうと思っていたのに!」と怒りだし、かえって勉強が手につかなくなり、フテ寝してしまう子もいるでしょう。
そんなご家庭に紹介したいのが、『朝15分学習法』です。やり方は、とっても簡単。子どもが朝起きたらすぐに食卓に座らせて、たった15分、学習させるだけ。
用意するのは、消しゴム2個と鉛筆2本でOKです。
これだけで、子どもに学習する習慣がつき、小学校、中学校、高校、大学にあがっても、自ら勉強する子どもに育ちます。親御さんの望む、子どもの学習習慣が手に入れられるのです!
本連載では、延べ6万5000人以上の子どもたちを指導してきた著者が、0歳から大学生までの学習実例をもとに、正しい学習姿勢のポイントをはじめ、お風呂での学習法や、塗り絵を学習に生かすコツなど、子どもの年齢に合わせた学習法を紹介していきます。

「朝15分学習法」はなぜ成果が上がるのかPhoto: Adobe Stock

人間は、学習したことを1日後には74%忘れる

 心理学者のヘルマン・エビングハウスによると、人間は、学習したことを1日後には74%忘れるそうです。

 学習したことを1日後にまた復習すれば理解が深まり、脳の中で整理され、他の記憶ともつながってより強固な記憶へと成長します。これをレミニセンス効果と言います。

 私の教室に通う子どもたちの中には、毎日学習する習慣がついている子ども、まだ習慣がついていない子ども両方がいますが、毎日学習する習慣がない子どもは、前回教室で学習したことを忘れていて、それを思い出すところから始まるため、教室での学習を難しく感じてしまう傾向があります。当然ながら、新しいことを習得するのにも時間がかかります。

 一方、毎日学習する習慣のある子どもは、前回教室で習得したことを定着させて次回の教室に臨むため、新しいことを習得するのも早い。だから、たとえ短時間であっても毎日学習することを習慣化すると、学習が定着するから賢くなるのです。