経営で一番大切なこと
株式会社ワークマン専務取締役
1952年生まれ。東京大学経済学部卒。三井物産入社後、海外留学を経て、三井物産デジタル社長に就任。企業内ベンチャーとして電子機器製品を開発し大ヒット。本社経営企画室次長、エレクトロニクス製品開発部長、上海広電三井物貿有限公司総経理、三井情報取締役など30年以上の商社勤務を経て2012年、ワークマンに入社。プロ顧客をターゲットとする作業服専門店に「エクセル経営」を持ち込んで社内改革。一般客向けに企画したアウトドアウェア新業態店「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」が大ヒットし、「マーケター・オブ・ザ・イヤー2019」大賞、会社として「2019年度ポーター賞」を受賞。2012年、ワークマン常務取締役。2019年6月、専務取締役経営企画部・開発本部・情報システム部・ロジスティクス部担当(現任)に就任。「ダイヤモンド経営塾」第八期講師。これまで明かされてこなかった「しない経営」と「エクセル経営」の両輪によりブルーオーシャン市場を頑張らずに切り拓く秘密を『ワークマン式「しない経営」』で初めて公開。本書が初の著書。
入山 「エクセル経営」は、きれいなデータが取れることが前提条件ですよね。
土屋 昔は店舗在庫の数量データは一切ありませんでした。余計なことを一切しない会社なので、「分析しないのだから最初からデータは取らない会社」だったのです。
入山 大胆ですね。でも、経営で一番重要なのは「しない」こと。「しない」とは、やりたいことが明確という意味です。
やりたいことがはっきりしているから、余分なものが捨てられる。その結果、組織全体に骨が出て、ワークマンのようなユニークな会社になります。
土屋 「しない」と決めたもので大きなものは社内行事です。
パートの募集広告に「社内行事はありません」というキャッチコピーをつけたら応募者数が4倍になりました。
入山 パートさんは社内行事につき合わされるのは嫌ですよね。
土屋 「社内行事ゼロ」がこんなに受けるのかと驚きました。私は古い世代だから少し残念に思いましたが、もう時代が違うので仕方がありません。