ITベンチャーと老舗金融企業で学んだこと
私は大学卒業後にサン・マイクロシステムズに入社し、その1年半後にアプレッソという会社を立ち上げました。データ連携ソフト「DataSpider」の開発を指揮しながら、13年間、代表を務めました。
2013年、DataSpiderの代理店であり、データ連携ソフトを自社に持ちたいと考えていたセゾン情報システムズから資本業務提携の提案を受け、アプレッソはセゾン情報システムズのグループ会社となりました。
それを契機に、私はセゾン情報システムズのCTO(最高技術責任者)を務めることに。2019年3月からクレディセゾンのCTOに就任し、金融業界にデジタルの力を活かすべく、日々奮闘しています。
ITベンチャーの代表を10年以上務め、現在は老舗金融企業のCTO。このキャリアを通して、それぞれがどんな特徴を持ち、そこで働く人がどんなことに悩み、どんなふうに仕事をしているのかを見てきました。その中で、ベンチャーや大企業問わず、どんな仕事にも共通する「仕事を合理化するポイント」があることに気づきます。逆にいえば、共通する「無駄」があるのです。
この度出版した拙著『その仕事、全部やめてみよう』は、具体的なエピソードを交えながら、仕事の無駄を排除し、生産性を高めるための「仕事の進め方・考え方」を解説するものです。
仕事をしていくうえで大切なのは、よいものを作り上げて世の中に届け、企業を成長させること。そして、みなが生き生きと仕事をして高く評価され、幸福だと感じることです。そのために必要なことは、一見まったく異なるように見えるITベンチャーでも歴史ある日本の大企業でも、根本のところではほとんど変わりません。
本書は、そんな「仕事の本質」に迫ったつもりです。気になった方はぜひお手に取ってみていただけるとうれしいです。
本書の主な内容
はじめに ITベンチャーと老舗金融企業で学んだこと
第1章 「谷」を埋めるな、「山」を作れ! ――市場で勝つ
・王者マイクロソフトへの挑戦――「1%の本質」をつかむ
・業務命令でビットコインを配布した日
・「山」を作るプレゼン、3つのコツ
第2章 「ハンマーと釘」の世界の落とし穴 ――正しく実行する
・「よいアイデア」と「ダメなアイデア」の違い
・PDCAではなく、DCAPで動くべき3つの領域
・稟議書の呪縛から逃れる「2つのタイミング」
第3章 「ラストマン戦略」で頭角をあらわせ ――自分を磨く
・「遊び人」が賢者になる日
・「臆病者」の私が24歳で起業した理由
・戦略的に「見せ場」を作る
第4章 「To Stopリスト」をいますぐ作る ――生産性を上げる
・人は「見られる」と生産性が上がる
・「選択肢は2つある。ビールを飲むか、ワインを飲むかだ」
・「一番近く」と「一番遠く」だけを見る
第5章 職場は「猛獣園」である ――チームで戦う
・人を傷つけずに、問題点を指摘する――「ひよコード」
・「俺がやったほうが早い病」の治し方
・「いい人が採用できない」に効く2つのアプローチ
おわりに 山田先生の教え
【著者インタビューの抜粋動画】