偏差値では測れない注目の入試

 偏差値45を境目に、それよりも下の学校については、多様な入試方式の導入による偏差値だけでは捉え切れない生徒の関心や能力と学校の特性とのマッチングを試みる動きが目に付くようになってきた。ここからはそうしたユニークな入試について取り上げながら、注目の学校をいくつかご紹介していきたい。

 難関・上位校ではコロナ感染に配慮して、慶應義塾普通部のように面接を2021年は行わない学校も出ている。その一方で、面接を新たに始める女子校もある。「話せば分かる」が持論の柳沢幸雄・前開成校長が学園長に就任した北鎌倉女子学園と、慶應義塾湘南藤沢キャンパスで中等部・高等部の部長と総合政策学部学部長を務めた河添健氏が校長に就いた東京女子学園である。コロナの感染状況によってはリモート面接になるかもしれないが、口頭での受け答えを重視して選考を行うことになりそうだ。

 ユニークな入試ということでは、東京女子学園は2020年に引き続き、スマホ利用のICT思考力入試を行う。2023年竣工予定で12階建てのビルに校舎が生まれ変わる予定で、今後大きくその姿を変えていきそうだ。

 多様な入試の設定という点では、宝仙学園共学部理数インターが他を圧倒している。一般的な4科と帰国生以外の入試を列挙すると、「公立一貫校」「リベラルアーツ」「AAA(世界標準)」「グローバル」「新入試『理数インター』」「英語AL」「読書プレゼン」「オピニオン」といった、内容がすぐには分からないようなものが多数並ぶ。新しく導入される「読書プレゼン」入試は、日本語リスニングのあと問題に答えていく45分間と、事前に申請した自分の好きな本について試験官も読みたくなるような5分間のプレゼン&15分程度の質疑応答を行うというものだ。よくこのような試験を考えたものである。

 最後に変わり種を一つ。東京女子体育大学の姉妹校でもある吉祥寺にある藤村女子は、“生きる力”を測ろうと、「ナゾ解き入試」を導入する。サンプルは同校のサイトにアップされているが、パズルのような「謎検問題」で肩慣らしをしたあと、グループで体を使って取り組む45分間のリアル脱出ゲームが課される。これで考察力など5つの力を測定するというものだ。非学力測定型入試の究極の姿となるかもしれない。