「反日デモで主張されていることは尖閣問題だけではなく、毛沢東の肖像画が掲げられていたりもする。“反日”というよりは、現体制への不満の現れである」
 「中国で広がる格差問題等の人民の鬱積した不満が、尖閣問題をきっかけに一気に吹き出したのが実情だ」
 「18党大会を目前に控え、中国共産党上層部の権力闘争が反日デモという形を持って激化している」

 これらの分析は、私から見ても、それぞれ現状を反映していると思うし、3つを足せば、一連のデモを裏付けるエッセンスの、かなりの部分を占めることになると思う。実際に、中国国内のオピニオンリーダーや多くの中国人民も、「今起きていることが内政問題」であることは理解しているし、皮肉を込めて政府や暴徒化する一部の人を批判している。

 特に、現体制に不満を持つ一部の過激勢力により組織的に準備され、デモ現場で配布された毛沢東の画像は、「中国は文革時代に戻るのか? これを機に、改革に対抗する勢力が権力奪還を狙っている」という世論を巻き起こした。中国社会にとっては、今回の反日デモはある意味「内戦」なのである。

 40年前の日中国交正常化以来、最大規模の反日運動を経て、日本人だけではなく、多くの外国人が「御国の事情で勝手に社会が荒れたり、秩序が壊れたり、法人の合法的な権益が脅威にさらされるようじゃ、そんな国には行けないし、住めないし、ビジネスだってできない」と切に感じたであろう。2012年という世界全体にとっての「政治の季節」に、チャイナリスクが一層浮き彫りになり、不確定になったのは間違いない。

「中国は国際的な信用力を落としている。常任理事国としての責任を持って内外の政策に取り組むべきだ」という国際世論は今後益々広まっていく。