「朝、バタバタしない親」がしている、たった2つの習慣Photo: Adobe Stock

新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材を元に「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』にまとめた。
「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。100の「してあげたいこと」を実践するにあたっては、さらに詳細な「421の具体策」で、実際に何をどうしてあげればいいのかまで丁寧に落とし込んでいる。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

子どもには「朝ごはん」が重要

 人は寝ているあいだもエネルギーを少しずつ消費するので、朝起きたときにはエネルギーが不足しています。寝ているあいだは体温も低下し、体は省エネモードになっています。

 そこで、朝ごはんを食べて体温を上昇させ、全身にエネルギーを満たすことによって、脳も体も活動的になれるのです。

 脳を使うには、ブドウ糖がエネルギー源として必要です。朝ごはんではブドウ糖を補い、血糖値を上げて脳にエネルギーを届けることで、脳をしっかりと目覚めさせます。

 また、噛むことによって「幸せホルモン」、セロトニンが分泌されます。セロトニンは精神を落ち着かせる神経伝達物質で、これが不足すると気分が落ち込んだり、寝つきが悪くなったりします。

 セロトニンがつくられるのは起きているあいだだけ。朝ごはんをしっかり噛んで食べれば、脳内で「幸せホルモン」の分泌が活性化します。

 では、毎日親も忙しい中で、子どもにきちんと朝ごはんを食べさせてあげるにはどうすればよいでしょうか?

【習慣1】「余裕」を持って起こす

「小学生の6人に1人が朝ごはんを食べていない」という残念なデータがあります。子どもはまだ消化管が十分に発達しておらず、一度にたくさん食べることができないので、3食しっかり食べることで大事な栄養を摂取する必要があります

 また、エネルギー不足のまま学校へ行くと、授業に集中できず頭がぼーっとしたり、体が思うように動かず、ケガをしやすくなります。起きてから家を出るまでに必ず朝ごはんを食べられるよう、余裕を持って起こすようにします。

【習慣2】「パターン」を決める

 朝ごはんも「主食:主菜:副菜=3:1:2」でとるのが基本です。とはいえ、忙しい朝にそこまで手をかけるのも大変なので、「朝はパターンを決めておくとラク」と管理栄養士の牧野直子氏は次のように勧めます。

「ごはんが主食なら主菜は卵や納豆、副菜は前日の味噌汁にする。パンが主食ならロールパンのように焼かずに食べられるパンを選び、チーズやゆで卵などを主菜にすると簡単に済みます。副菜はミニトマトやゆで置きのブロッコリーを常備しておくと便利ですが、時間がないときは野菜ジュースでも補えます」

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』から抜粋・編集したものです)

取材協力
有限会社スタジオ食代表/管理栄養士、牧野直子氏