2年で営業利益181%急伸の秘密
──社員の生産性を高めるために、リーダーがやるべきアクションは何だと思いますか?
土屋:やはり、一人ひとりのヒアリングだと思います。
社員のやりたいことや得意分野をヒアリングし、やる気を出させる。配置転換も必要に応じて実施する。
地味で口下手で、コミュニケーションが苦手な社員でも、データを勉強させたら営業で活躍したというケースもよくあります。
『ワークマン式「しない経営」』にも書きましたが、社員の能力がうまく発揮できていない場合は、なんらかの「軸」を一つ変えてみるといい。今までまったくやってこなかった「軸」を取り入れてみるといいのです。
ワークマンにとっては、それが「エクセル経営」、つまり、「全員参加型のデータ活用経営」だったんです。
私が入社した2012年以来、ワークマンでは8年間、飽きずにコツコツとデータ活用研修をやり続け、社員全員がデータを駆使して考えられるように社内システムを整えました。
そのとき、私が頭の中に思い描いていたのは次の3点です。
1.社員を教育して、企業風土や仕事のやり方が変わるのは5年後
2.情報システムは構想1年、構築1年で導入は2年後
3.情報システムの導入前に、1日も早く社員教育が必要
このように5年後の変革をイメージしていました。
実は、ワークマン急成長のカギとなった新ブランド「ワークマンプラス」の品揃えは、「エクセル経営」で決まったんです。
全取扱商品から一般客が購入している製品を抽出し、最適解を導き出しました。
今、ワークマンの商品部にはデータ活用の猛者たちがいて、来年、どの製品をどれだけ製造するかを統計的に予測しています。
その結果、全社の営業利益が2年前と比較して181%伸びました。