日本を支えてきた団塊の世代も、今や70代。
まだ先は長いとはいえ、「死」が頭をよぎるのも、また現実。
さて、いかにして人生をまっとうするか。
どんな肩書きも外して、「死ぬまで上機嫌。」がいちばんいい。
人生は考え方次第。
苦労の多い人生だったとしても、
「まあ、これでいいか」
と思えれば、万事解決。
終わりよければすべてよし、なのだ。
新型コロナウイルスの感染拡大を経験するなど、
「いつ死んでもおかしくない」という状況を目の当たりにしている。
ただ、いつ死ぬかわからないからといって、怯えてばかりいても仕方がない。
どんな状況を目の当たりにしても
「まあ、これでいい」「こういうこともあるだろう」
と鷹揚に受け入れられる自分でいたい。
そして、『死ぬまで上機嫌。』でいたい。
漫画家・弘兼憲史が「そのとき」が来るまで、
存分に人生をまっとうする上機嫌な生き方を指南する。
仕事中に死ねるなんてうらやましい
健康寿命の先にある「自分の最期」はどう考えるべきか。
理想をいえば、健康寿命と実際の寿命を同じにしたい。
つまり、死ぬまで元気な人生をまっとうしたい。
「病気に苦しむことなく元気な生活を送り、最期はあっけなくコロリと逝く」
こんな生き方・死に方をあらわす「ピンピンコロリ」は、高齢者の理想とされています。
ピンピンコロリは、頭文字のローマ字表記から「PPK」と略されることもあります。
ピンピンコロリという言葉は、1980年代に長野県で生まれました。
長野県佐久市には「ぴんころ地蔵」という観光スポットもあり、健康長寿のシンボルとして親しまれています。
僕に限らず、誰だって寝たきりになったり、長い闘病生活を送ったりするのは避けたいですから、ぴんころ地蔵にすがりたくなる気持ちも理解できます。
漫画の世界で「ピンピンコロリ」というと、真っ先に思い浮かぶのは、僕の大先輩であり、世界的な人気漫画『ドラえもん』の作者である藤子・F・不二雄さんです。
聞くところによると、藤子さんはペンを持ったまま机に突っ伏した状態で意識を失っていたそうなのです。
ご自宅の2階で仕事をされていて、ご家族が夕食の準備ができたことを伝えたときには返事があったそうです。
しかし、それから時間が経ってもいっこうに食卓に来なかったので、お嬢さんが呼びに行ったところ、異変に気づいたそうです。
死因は肝不全、62歳というあまりに若すぎる最期でした。
藤子さんのケースは、現役バリバリでの突然死。
もっと長生きをされたらたくさん素晴らしい作品を残しただろうと考えると、残念に思います。
早すぎるとは思いながらも、「仕事中に死ねるなんてうらやましいな」とどこかで思ってしまう自分もいます。
【次回へ続く】