QSCの徹底が先、新商品の開発はそのあと

原田:QSCが徹底されていないと、新商品を出しても、新しいマーケティング策を考えても、支えきれずに潰れます。新商品を発売しても、QSCが徹底されていなければ、お客様は二度と来てくださらないでしょう。

1年目にQSCをしっかり徹底したあと、2年目に「100円マック」を発売しました。

もしQSCが徹底されてなかったら、「100円だから、まずいんだよね」と批判されたでしょう。「100円なのに、こんなにおいしい」と言ってもらうためには、新企画を打ち出す前に、QSCを徹底させていく必要がありました。

QSCが先で、新商品をそのあと。何ごとも順番があるんです。

山下:原田さんほどの方なら、われわれが思いつかないような、もっと斬新で、もっと複雑な戦略を実行されてるのでは……と思っていました。

ですが、原田さんご自身から「QSCの徹底、基本の徹底」というお考えをうかがい、意外であると同時に、とても腑に落ちました。

原田:ゴルフでもそうですよね。基礎が身についていないのに高度なプレーをやろうとしても、うまくいきません。経営も同じです。

山下:逆に、「基礎」であれば、特別な知識やスキルを必要としないので、誰にでもできますよね。

原田:QSCを高めることで、価格に見合った商品やサービスを提供できるようになります。QSCは、「サービスビジネスの基礎力」にほかなりません。

(次回に続く)