小池百合子東京都知事が緊急記者会見を開き、都民の会食で注意すべき「5つの小」を呼び掛けた11月19日の夜、オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンら高齢の財界人らと5人での会食に参加していたことが分かった。5つの小に含まれる“小人数”とはいえず、自身の呼びかけを自ら破っていたわけだ。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
緊急記者会見で掲げた「小」のパネル
新語・流行語大賞の言葉のセンスが光るも…
「今日11月でございますが、あと10日もすれば、師走、12月であります。年末年始を迎えて、ますます会食の機会も多くなるかと思いますが、改めて会食時の対策を徹底していただきたい、とのことを本日申し上げたいと存じます」
533人と過去2番目に多い都内の新型コロナウイルス新規感染者数を記録していた11月19日。小池百合子東京都知事は午後5時15分から緊急記者会見を開いてこう訴え、パネルを掲げた。
「5つの小」――。“小人数”で開催し、小一時間で切り上げ、小声で話し、小皿で料理を分け、小まめにマスク着用や換気、消毒をするという、コロナの感染を避けるための会食での5つの注意点を挙げたのだった。
小池知事は”小人数“を「こにんずう」と読んでいた。一般的な日本語で言えば少人数(しょうにんずう)だが、「小池の『小』に無理やり合わせたかったのではないか」(都政関係者)。「3密」で今年の新語・流行語大賞を受賞した小池知事らしい言葉のセンスを、ここでも遺憾なく発揮していた。
感染リスクを抑えるためにはそもそも会食を控える方がよいが、仕事などでやむを得ず会食をする場合、菅義偉首相が呼びかけた「静かなマスク会食」よりは、「5つの小」の方がまだ実践しやすそうではある。決して誤った予防策というわけでもなさそうだ。だが…。