サラリーマンの中にはいくら頑張って働いても収入は増えないし、明るい未来はまったく見えてこないと感じている人が多くいるようです。努力が報われない社会ほど人を失望と不安におとしいれるものはありません。日本人がこんなにも不幸に感じるのは、単に学校でお金の教育をしないからです。コロナ後の社会や資本主義社会を生きる私たちにとって、もはやお金の正しい知識なしでは生きていくことはできません。『サラリーマンを辞めて月100万円で楽しく過ごす 働かないという生き方』の著者が、格差社会を生き抜くための「お金と人生のつくり方」のポイントを解説します。
起業ほど成功確率の低い
投資はない!
私は学生時代に、父の経営する工務店が倒産した結果、どうなったかを見てきたので、起業に対して人一倍抵抗があります。
また、社会人になって勤務していた再開発事業のコンサルタント会社が、私の長男が生まれて間もなく倒産しました。社長は悪い人ではなく、経営者としては度胸の据わった器の大きい方で、社員からとても信頼されていました。当時は社員旅行がまだ全盛期の時代で、社員全員を香港旅行に連れていってくれましたし、わざわざ社員を自宅に招待してくれるような温かい心の持ち主でした。この人にならついていこうという役員や社員は多かったと思います。
現在、安定した大企業に勤務されている人であっても、年功序列や終身雇用が崩れて給料が上がらないどころか、定年まで雇ってもらえないのではないかという不安を抱えているのではないでしょうか。
日本を代表するトヨタ自動車の豊田章男社長が「なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言し、日本中が大騒ぎになりましたが、さらに追い打ちをかけるように、経団連の中西宏明会長が「正直いって、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやって社会のシステムをつくり変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので」と発言してネット上で波紋を呼びました。