教育学、心理学、脳科学等、さまざまな切り口の資料や取材をものに「いま、もっとも子どものためになる」ことをまとめ、16万部を突破した話題の書『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。
今回、『子育てベスト100』著者の加藤紀子氏が、『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』』著者の借金玉氏に、子育てについて話を聞いた。発達障害の子を持つ親たちはもちろん、「子どもとの向き合い方」に悩んでいるすべての親にとって、絶対に知っておきたい「子育てのヒント」が満載です(構成:イイダテツヤ、写真:柳原美咲)
※対談前回「発達障害の僕から『学校に行けない子どもたち』に伝えたいたった一つのこと」はコチラ

親には子どもの「タイプ」が見えにくい

借金玉 加藤さんの『子育てベスト100』のなかに「子どものタイプを知る」という項目があって、すごくいいなと思いながら読んでたんです。

加藤紀子(以下、加藤) 8つの知能に分けるところですか?

借金玉 そうです、そうです。あれってすごくポイントを突いていますよね。

 たとえば、僕の場合は「言語的知能」はすごく高くて、「論理的知能」「数学的知能」も割とあるんですけど、「空間的知能」がダメで、図から何かを読み解くことができないんです。

 そんなふうにタイプを分けて、自分の子どもを見ていくと、いろいろわかってきますからね。

 自分の子どもが「どういうことが得意なのか」「どういうところが苦手なのか」を見るのはすごく大事な視点だと思います。

加藤 子どもって本当にいろんなタイプがいて、耳からでないとうまく学べない子もいるし、身体を動かしながらでないといろいろ習得できないっていう子もいますしね。

「ウチの子は成長が遅い?」と思う親がすべき1つの習慣加藤紀子(かとう・のりこ)
1973年京都市出まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、国際バカロレア、教育分野を中心に「NewsPicks」「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「ダイヤモンド・オンライン」などさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。一男一女の母。膨大な資料と取材から「いま一番子どものためになること」をまとめた『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』が16万部を超える大きな話題となっている。

借金玉 特殊学級とか少人数クラスのいいところは、そうした子どもにもそれぞれに対応できる点ですね。

 たいていの親は自分の子どもしか知らないから、比較ができないので、子どものタイプが見えにくい。何が好きで、何が嫌いで、何が得意で、何が苦手で、どういう環境だと集中力がアップして、逆にどういう環境だと阻害されるのかっていうことがわかるようでわからない。

「ウチの子は成長が遅い?」と思う親がすべき1つの習慣借金玉(しゃっきんだま)
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。最新刊は『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』