現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

内臓 大腸Photo: Adobe Stock

脳の中にも歯周病菌が住んでいる!?

口は体の中でも細菌が多くいるところです。中でも歯周病菌については深刻で、最近では心臓病や、動脈硬化などの血管病、糖尿病などの病気を引き起こすことが広く知られるようになりました。

口の中にいた歯周病菌がどのようにして病気を引き起こすかというと、粘膜が傷ついたり、歯周病の炎症などで出血したときに血管が傷ついたりというきっかけで、細菌が血管に侵入して、血液と一緒に全身を巡ってしまうのです。その結果、体にさまざまな悪影響を与えるというわけです。

前述のとおり、脳には血液脳関門という関所のようなものがあって、有害な物質が脳に運ばれないようにする仕組みがありますが、歯周病の原因菌のひとつであるジンジバリス菌は、血管脳関門をすり抜けて脳内に到達するということがわかったのです。ですから歯周病の予防と治療は歯の健康だけではなく、いまや脳にまで影響する大仕事。いかに重要なことか、おわかりいただきたいと思います。

意外なところから毒が全身を回ってしまう

また、最近問題となっているのが、「リーキーガット症候群」という腸のトラブルです。

精神的なストレスやアレルギーを起こす食品、金属アレルギー、抗生物質をはじめとする薬品などによって、腸の壁に小さなすき間ができて、細菌、ウイルス、たんぱく質などの物質が血中に漏れ出してしまうということが報告されるようになりました。腸壁から毒がもれて血管に混入し、血液と一緒に体中を巡るわけですから、当然脳にも到達する可能性があるのです。体の防御機能が、意外なところから破られることがあるのです。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
“腸”内環境と“口”内環境、<br />脳に大事なのはどっち?<br />

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。