キャッシュフロー計算書は、資金量が載っている

林教授 先ほどの図は貸借対照表で使ったものと同じ図だが、見方が違う。貸借対照表は決算日の瞬間を表したスナップショット(静止画)だ。一方、これから説明するキャッシュフロー計算書は、1年間に流れた現金収入と現金支出の額を表したものだ。

カノン スナップショットか1年間で流れた現金の額かの違いですか?

林教授 ピンとこないようだね。君の顔に書いてある。

カノン やっぱり。

林教授 キャッシュフロー計算書は「お金のダム」を中心に、現金の収支を表現したものなのだ。

カノン お金のダム」って、貸借対照表でいうと現金預金でしたね。

林教授 そうだね。決算期末の現金預金の残高が載っている。一方のキャッシュフロー計算書には、1年間で「お金のダム」に流入・流出した資金が、「ビジネス」と「現金製造機」と「財務」に関わるものに分けて載っている。

カノン もう少し具体的に説明していただけませんか?

林教授 3日目に勉強した下の図をもう一度見て欲しい。現金の運用先は「ビジネスプロセス」と「現金製造機」だったね。「ビジネスプロセス」に運用された現金は「商品」と「売掛金」を経て再び現金で回収される。そして、現金はこの「ビジネスプロセス」で増加する。また、仕入代金の支払い時に現金は支出される。これが「営業キャッシュフロー」だ。

カノン 現金は「お金のダム」と「ビジネスプロセス」の間をぐるぐると循環するのですね。