とにかく「社会貢献」に積極的!
ボランティアでエンゲージメントも向上
先ほど紹介した4つのコアバリューの一つである「平等」。これは全ての関係者にとって平等な環境づくりを目指すために行われているものであり、その一環として同社が創業以来、力を入れているのが、「1-1-1モデル」と呼ばれる社会貢献活動だ。就業時間の1%、株式の1%、製品の1%を活用して非営利組織の活動支援を行うもので、従業員には1年間に56時間をボランティアの時間として与えている。
もちろん会社が「ただやれ」というだけではない。同社内のサイト上で、ボランティア活動を紹介する一覧ページがあり、参加へのハードルを下げる仕組みなども整えられている。
「実はボランティア活動と社員のエンゲージメント向上には、相関関係があることが私たちの調査からもわかっている。ボランティア活動を通して社会の一面を知れるだけでなく、自分自身も支援を受ける人もハッピーになれる。また、チームで参加することで、チームビルディングに役立つ側面もある」(鈴木氏)
同社では人事部門などのグローバルトップが集まる場においても、最初の半日間をボランティア活動に充てるのが通例になっているという。また、新入社員研修の最後はボランティア活動で締めることになっており、これらの活動によって一体感の醸成にもつながっているようだ。
「近年では、当社に入社したい理由の2番目として『社会貢献』が挙げられている」(鈴木氏)
誰でも社員全員の目標を検索可能
「情報の透明性」で信頼構築へ
会社と社員の間の信頼は働きがいのある会社には欠かせない要素だが、同社でも「信頼」は大事なコアバリューだ。鈴木氏は「会社と社員の信頼関係の構築をするためには『情報の透明性』が基礎になる」と、「目標」や「従業員サーベイの結果」をオープンにしているという。
まず、同社では全社員が共通の目標に向かって協力するために、「V2MOM」というフレームワークを使って目標管理を行う。これはVision(ビジョン)、Values(価値)、Methods(メソッド)、Obstacles(障害)、Measures(基準)の頭文字を取ったもの。これによって社員が同じ方向へと進める、羅針盤のような役割を果たす。具体的には、リーダー陣が会社のV2MOMを作成し、周りとの議論を重ねた上で、部門からチーム、そして個人へと伝達されて、それぞれのV2MOMが完成する。