大人にとっては「五十歩百歩の実績」ばかり

  では、どうすれば差別化がはかれるか? という疑問に答える前に、ぜひ頭に入れておいてほしいことがある。
  それは、「差別化のポイントを勘違いしている大学生が多い」ということだ。

  多くの大学生が差別化のポイントだと勘違いしているものの代表格に「規模」というものがある。例えば「30人のテニスサークルの幹部」より「200人のテニスサークルの幹部」の方が、アピール度が高いと思い込んでいるパターンだ。

 学生にとっては、大きな違いに見えるかもしれない。同じ大学内にあるのであれば、この2つのサークルは存在感にかなりの差があるだろう。
  しかし、大人から見たら「同じ」なのだ。両者とも「テニスサークルをやってきた」普通の大学生にみえる。規模が大きいからと言って、それだけで評価が上がることはない、と断言しよう。

 他にも、学生が信じていることに、
「サークルより、学生団体やインターンシップの方がアピールできる」
「目に見える実績さえあれば評価される」

などがあるが、それも勘違い。学生の中で「変わった活動をしている」ように見えることも、学生にとって「凄い実績」も、大人から見ると特別に驚く様なものはほとんどないのである。

  かつて僕のところに相談に来てくれたA君の例を見てみよう。
  学生団体の代表をしていて、200人規模のイベントを10回以上開催してきた。その活動は新聞にもとりあげられたことがあり、大学内(都内の有名私大)でも有名な団体になっていた。誰もが「Aは絶対に就活も上手くいく」と思っていたし、本人も自信満々だった。

  しかし、就職活動の結果は全敗。
  ほとんどの面接が1〜2次の初期段階で落とされてしまった。

 なぜだろうか?