コロナ禍では、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。
相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。
本連載は、相続にまつわる法律や税金の基礎知識から、相続争いの裁判例や税務調査の勘所を学ぶものです。著者は、日本一の相続専門YouTuber税理士の橘慶太氏。チャンネル登録者数は4.8万人を超え、「相続」カテゴリーでは、日本一を誇ります。また、税理士法人の代表でもあり、相続の相談実績は5000人を超えます。初の単著『ぶっちゃけ相続 日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』も出版し(12月2日刊行)、現在2.8万部。遺言書、相続税、不動産、税務調査、各種手続きという観点から、相続のリアルをあますところなく伝えています。

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遺言書を国に預けることができる

 2020年7月10日より、自筆証書遺言を法務局に預けることができる制度がスタートしました。

 早速、私自身の遺言書も預けてきたのですが、率直な感想は「思ったより大変だったな」です。自分で遺言書を作成し、法務局の人が「氏名、日付、押印」があることを確認して、ぱっぱっぱと終わる手続きかと思っていました。

 しかし実際には、遺言書保管制度独自のルールがあり、一から書き直すことになったため、法務局に2回も足を運ぶことになりました。ここでは、遺言書保管制度の注意点を中心にお伝えします。

5つの書類を用意する

 まず、遺言書保管制度は事前予約制です。予約を取らずに法務局に行っても保管できません。法務局は、ご自身の①本籍地、②住所地、③所有する不動産の所在地を管轄する法務局の中から選ぶことができます。

 予約は電話だけでなく、インターネットからでも可能です。予約が取れたら次の必要書類を準備します。

①自筆証書遺言
②申請書(法務省のホームページからダウンロード、または法務局の窓口でもらえる)
③住民票(本籍地の記載入り、発行から3ヵ月以内のもの)※マイナンバーの記載は不要
④本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
⑤収入印紙(3900円)※収入印紙は法務局で売っているので、事前に買わなくてOK

 自筆証書遺言と申請書の書き方には、注意点がたくさんありすぎてここではすべてを解説できません。日付や氏名を書くことはもちろん、A4の紙を使用することや、余白を残さなければいけないことなど、遺言書保管制度独自のルールがあるので、必ず事前に保管制度の手引きを確認しましょう。
参考:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html