(1) 発言者の立場――発言者はどういう立場で発言しているのか

 例えば、1.執行部として、2.担当部署や関係する部署として、3.弁護士などの専門家として、4.大株主または一般株主としてなどの利害関係者として、5.○○の人々を代表して(世代や性別、または一般ファンなど)、6.個人的な意見として。

 立場が明確にされないと、聞いている側は、その発言の趣旨や背景事情が分かりにくい。

(2)発言内容――何を言ったか

 【質問に相当するもの】
 1.言葉の意味をただすもの:「今おっしゃった言葉の意味はどういうことでしょうか」
 2.全体の思考枠組みに関するもの:「その整理では、○○はどのように考えられているのでしょうか」
 3.背景事情:歴史的経緯や他のステークホルダーとの関係:「このような提案が出てきた背景にはどのような経緯があるのでしょうか」

 【意見に相当するもの】
 1.良い悪い
 2.好き嫌い
 3.思考枠組みに関する意見
 4.評価基準に関する意見
 5.評価の内容に関する意見

 3は「経済的便益だけでなく、安全性や人々の安心をもっと考慮するように、思考の枠組みを考えるべきだ」といった意見、4は「評価基準に安全性を組み入れるべきだ」、5は「この選択肢の安全性は高く評価されすぎているのではないか」などである。

 上記の質問や意見表明が適切にわかりやすく表現されているかどうかが問題になる。

(3)タイミング――いまどの過程にあるか、に合わせて発言されているか

 会議は一般的に、以下のようステップで進められることが多い。

 1.イントロ(目的の確認など)・開題→2.担当者による思考枠組みと評価の説明→3.考慮すべきことが網羅されているかの確認→4.テーマごとの意見交換→5.選択肢そのものの適正性の評価→6.選択肢の評価および意思決定と留保事項の確認

 会議が現在どのプロセスにあるかを認識したうえで、それに合った発言をしているどうか。勝手に先走ったり、大きく後戻りされたりすると参加者は混乱し、まともに議論できなくなる。

(4)態度――どのような態度で発言が行われたか

 1.好意的、2.中立的、3.否定的、4.攻撃的

 1がわざとらしかったり、3と4があまりに強いトーンで行われたりすると、話を聞こうとする気すらなくなる。

(5)目的――何の目的で言われたか

 1.当該団体にとっての価値増進、2.特定のステークホルダー(現執行部、反対派、特定派閥など)の権益確保、3.個人の利益の増大

 1があるべき姿だが、実際には2、3が多く、参加者をへきえきさせる。

 おおよそ、以上のような観点で会議を考える必要性があると思われる。