その理由は二つある。一つは、労働者が支払う保険料と同額を勤務先が支払ってくれているからだ。余談であるが、パート労働者が厚生年金に加入することは、雇い主にとっては保険料負担が増えるということだ。それでもパートで働いてほしい、と言われていると思うと、気分が明るくなるかもしれない(笑)。

 もう一つは、年金関係の事務を担当しているのは公務員であって、彼らの給料は年金加入者の支払った保険料ではなく、税金から支払われているからである。民間の保険会社の年金商品よりもはるかに有利なのは、ちゃんと理由があるのだ。

迷ったら、相談料を払ってプロに相談

 このように、厚生年金に加入することに伴う損得関係は複雑なのだが、ご理解いただけたであろうか。自分がどうすべきか、判断できる材料がそろったであろうか。本稿が理解できたとしても、本稿に書ききれなかった細かな規則等が気になるかもしれない。そうなると、なかなか決められない人も多いだろう。

 迷ったら一度、独立系のファイナンシャルプランナー(FP)や社会保険労務士に相談してみるといい。若干の相談料を支払ったとしても、それによって正しい選択ができるならば、得られるものははるかに大きいかもしれないのだから。

 ちなみに、相談料を節約して無料の相談を受けることは、リスクを伴うかもしれない。自社の商品を売りたいという動機を隠して「お客様のために」という顔で相談に応じる人がいるかもしれないからである。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織等々とは関係がない。また、年金関係の制度は複雑なので、細部は必ずしも厳密ではない。