現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

葉酸Photo: Adobe Stock

なかなか聞き慣れない言葉だと思いますが、脳の栄養と炎症の指標となる「ホモシステイン値」という指標があります。「ホモシステイン」は必須アミノ酸のメチオニンが代謝されてできるもので、脳に炎症が起きている場合や、脳が栄養不足に陥っていると数値が高くなります。

ホモシステイン値が高い状態を放置すると、脳や血管にダメージを与え、アルツハイマー病を発症しやすくなります。やっかいなことに、心血管疾患や脳卒中、いくつかのがんの重大な要因であることもわかっています。

ホモシステイン値が低い状態を維持できれば、脳や血管に与えるダメージは小さくなります。そのことで直接的に毒素を排出するわけではありませんが、脳が毒に侵されないためには重要なことです。

ビタミンB6、B12、葉酸が救世主

ホモシステイン値を高くしてしまう原因として、ナッツ類、チーズ、牛肉、ラム肉、豚肉、貝類、大豆、卵、乳製品などの食材があります。ではこれらを食べるのはよくないのか?答えはNOです。これらの食材のなかには解毒効果のあるものもあり、必ずしも避けるべきではありません。

じつは、これらの食材を食べても、ホモシステイン値を低く抑えてくれる栄養素があるのです。それはビタミンB6とビタミンB12、葉酸です。この3つの栄養素が十分にとれていれば、ホモシステインが体内でうまく循環して低い値を保てるのです。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
アルツハイマー病や大病を引き起こす高ホモシステインとは?

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。