中国では、なぜ鎖国ができなかったのか?
「北虜南倭(ほくりょなんわ)」という言葉をご存じでしょうか?
モンゴル高原にいる遊牧民の王様がガールフレンドに、
「私のきれいな服、次、いつ買ってくれるの?もう、前にもらった服はすり切れているわよ」
といわれたら、王様は、しょうがないなぁと思って中国に行くのです。
そして、モンゴル高原の遊牧民の王様は「百貨店を開けんかい!!」といって、世界商品であふれかえる中国に攻め込んでくるわけです。
遊牧民たちがどっと中国に押し寄せてくることを「北虜」といいます。
「南倭」とは倭寇(わこう)のことです。
「北虜南倭」とは、中国が北方からも、南方からも攻められ、ドアがガンガン叩かれることをいいます。
このため、中国は鎖国をしたくても、なかなかうまくはできない!
なぜ日本で鎖国ができたかといえば、江戸時代の日本には世界商品がなかったからです。
だから、歴史は常に世界との関係で考えていかなければならないのです。
過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。
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