保険の裏 営業の闇#11

業界各社は営業職員の制度改革をこぞって進めているが、住友生命はその段階はすでに終わっているという認識だ。高田幸徳社長は「次のレベル」に引き上げるべく、改革を進めていると胸を張る。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#11では、高田社長に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

業界に先駆けて四半期採用に
待遇改善の道はもう過ぎている

――2021年4月の社長就任で、「人、デジタル、ウェルビーイング(Well-being、幸福)」という三つのキーワードを掲げました。人については、業界では営業職員の処遇や評価の変更などが進んでいます。改めて、どう考えているかお教えください。

 三つのキーワードを追求することで、社会になくてはならない会社になろうと考えています。そのときにお客さまという人を、営業職員や内勤の人、代理店の人が支えていく、ベースとなるのは人であるという考えです。

 営業職員に関する課題は、もうずっといわれ続けている問題です。住友生命保険では業界に先駆けて、四半期に1度の採用にしましたし、半年は営業現場に出さない方法で育成しています。また、5年間にわたって、育成教育を徹底しています。

 私たちにとっては待遇を改善するなど、その道は過ぎているという認識です。営業職員に対して、新契約の獲得だけではなく、サービス内容や加入後のエンゲージメントを高める活動も、評価項目の中に組み込んでいます。私たちとしては、もっとその先、営業職員がどうあるべきかを考えて、追求していきたい。