【インタビュー】ひろゆきに「独学術」を教えてもらったひろゆき氏(撮影:榊智朗)

覚えるときの「コツ」は?

――独学しているときに何か気をつけているポイントはありますか?

ひろゆき氏:ヘタに固有名詞とかキーワードを覚えないことですね。たとえば、数学を覚えるときに「公式」は覚えなきゃいけないんですが、その公式を見つけた人の名前とかは覚えなくていいじゃないですか。

 もっといえば、公式の名前すら覚えなくていい。その公式が何を計算するときに必要なのかは知っておかないといけないんですが、その「仕組み」の部分だけ押さえて、余計な情報に脳のリソースを使わないのがポイントですかね。

――豆知識はいらないってことですかね。

ひろゆき氏:小説を読み終わったときに、登場人物の名前ってフルネームで言えないじゃないですか。でも、ストーリーの部分とか起承転結は覚えていて、第三者に説明できますよね。そういう情報の取り方をすればいいんですよ。覚えなくていいことは、「あとで調べよう」と思って、外側に記憶させればOKです。

 ストーリーの根幹の部分だけを覚えるようにすれば、「Aという小説とBという小説が、じつは同じ構造になっていて、舞台だけが違う」ということに気づけますよね。そうすると、1つの記憶で2つの小説を覚えていることになります。似ているものをどんどんくっつけていって、自分の中に知識のネットワークが作られていっている感覚がでてきたら、それがつまり「学んでいる」ことなんでしょうね。

――紐づけられるかどうかですね。

ひろゆき氏:頭がいい人って、細かい固有名詞は横に置いておいても、どんどん説明することができるんですよ。「ラマヌジャン」という数学者の名前を覚えていることより、ラマヌジャンが見つけた数学の公式を理解していることのほうが価値がありますから。表面上の雑学より、根本を理解することですね。それだけ考えて勉強するといいと思いますよ。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。