現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
20万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
金持ちをヒーロー扱いできるか?
――ひろゆきさんは「普通でいたい」みたいな考えってないですか?
ひろゆき氏:ないですね。それって、日本特有の「1億総中流社会」の妄想だと思うんですよ。格差が生まれて、中流が壊れたように語られていますけど、まだまだ根強いですよね。島国だし、民族もバラツキが少ないし。
でも、アメリカとかフランスに暮らしていると、民族はごちゃごちゃだし、国境もあるし、「普通がなんなのか」なんて考えもしないですよ。
――なんでそういう中流への意識が根強いんですかね?
ひろゆき氏:たとえば、金持ちへの反応ですかね。ワイドショー文化があって、週刊誌とかが金持ちのスキャンダルで足を引っ張ったり、妬んだりする場面が多いですよね。それが日本中の印象を作っている。
もちろん、権力の監視は必要ですよ。でも、芸能人が不倫がバレて活動自粛したり、謝罪会見をするようなことってよくわかりませんよね。論理を超えて感情で判断しすぎている感じです。
フランスで暮らしていると、金持ちへの視線が寛容なんですよね。妬んでいる人の弱みを見つけて足を引っ張ろうなんて思ってなくて、金持ちはたくさん税金を納めてくれるヒーローとして見ているというか。
「タレントの発言」と「僕の発言」の違い
ひろゆき氏:テレビは考えなくてもボーッと見られる番組ばかりですよね。何も考えずに反応してたら、テレビショッピングとかCMを見て商品を買っちゃってるという。そういうビジネスモデルですからね。
――そう語るひろゆきさんもテレビに出るときがありますよね?
ひろゆき氏:呼ばれたら出るだけですね。でも、作り手が求めていることを代弁するようなことはしないです。自分で思ったことを、そのまま言うスタンスで、「ちゃんと議論する」「データに沿って発言する」「納得しないことは反論する」とか。そういうルールは守っています。
タレントとか芸能人は、「テレビに出たくて仕方ない人たち」ですよね。そういう人たちは、自分が言いたいことより、スタッフが求めていることや好感度を上げることを言う役割なんですよ。スタッフが求めているのは、わかりやすくて視聴者の感情が動くような言葉です。
だから、結果的に「大衆」が喜ぶものを出さざるを得なくなる。そこに疑問を抱いたメンタリストのDaiGoさんのような人は、どんどんテレビから遠ざかっていますよね。
――テレビに出られなくなる怖さとは無縁の人たちですね。
ひろゆき氏:そうです。だから、賢い人はワイドショーなんて見ないんです。「あなたたちはこういう下世話なことが好きですよね?」という作り手の考えが透けて見えますから。
自分の意見を持っていて、それがたまたま世間に求められている人が、一時的にテレビに呼ばれるだけです。僕は今、ちょうどそのタイミングにいるだけです。テレビとか大衆に合わせていくつもりは、まったくないです。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。