傷つきやすい人は多くの場合、自分の意見はわかってもらえない、とあきらめつつ生きています。周りの人はなぜ気がつかないの? 誰も何とかしようと思わないの? と周囲の無神経さが不思議でなりません。
私が気がついたのだから、何とかするのも私なんだ。
私がやるしかない……。
そう考えるうち、この状況を何とかできるのは自分しかいないと思いこんでしまいます。
自分のするべきことに追われながら(すでに人よりたくさん抱えている場合が多いにもかかわらず)無理して対応を続けたあと、突然ぷっつりと糸が切れたように動けなくなり、休職もしくは退職に追いこまれたりしてしまうのです。
それでも新しい仕事や環境でふたたびがんばってしまうほど、がんばりすぎるところがあります。
ちなみに、先ほどの彼はその後、担当が変わり、元気を取り戻しました。
ガマンしすぎてつぶれないための心のリセット法
がんばりすぎてしまって追いこまれる悲劇を避けるには、自分の職務や権限の範囲を明確に意識することが役に立ちます。「これは私がすべき仕事か?」をつねに意識し、他人の仕事を先取りしないことです。
けれど、わかっていてもつい、「私が何とかしなくちゃ」と思ってしまうこともあるでしょう。そんなときには次のような方法で、「何とかしなくちゃモード」の心をすぐにリセットしてみてください。
【心のリセット法】
・いったん別の場所に一人で移動する
たとえば、行きたくなくてもトイレに行く、オフィスを出てビルの周りを歩く、空を見上げるなど。
その場所から外に出て、室外にある植物に触れる
・外に出られない場合は、窓から外の景色を眺める
・室内に花を飾る、観葉植物の手入れをする、ペットをなでる、といった自分以外の生
き物に手で触れる
・その場で伸びをする、軽いストレッチをする、二の腕や手の甲をさする
こうしたことで体の緊張をとき、心をゆるめる。
・歯を磨く、顔を洗う
こうした心のリセット法を覚えておくことで、他人の仕事まで抱えこんで疲弊したりすることが自然と減っていきます。
すると、生きることが以前よりずっとラクになり、プライベートにもゆとりが生まれることでしょう。