セカンドオピニオンで
患者側が配慮すべきことは?

――さまざまな立場のがん患者が、医師とのコミュニケーションで心がけるべきポイントは何でしょうか。

金田 基本的に、患者のほうから医師に話を聞かなければコミュニケーションはできないと思います。その上で、「こういう聞き方をすればこういうふうに答えてくれるんだな」と、患者が医者に合わせてコミュニケーションできる状態を模索することです。

 先ほどの医師と患者の分類のように、医者も患者のタイプによってコミュニケーションをとろうとしている。だから、患者も医師のタイプを見極めるくらいの努力はしたほうがいいですよね。

 その努力をした上でも、医者と納得できるコミュニケーションができなければ、セカンドオピニオンを受けるなどして、担当医を変えることも考えたほうがいいかもしれません。でも世の中、完璧な人はいませんから。自分から積極的に医者との信頼関係を築いていくつもりで、コミュニケーションすることをあきらめないことが大事だと思います。

――セカンドオピニオンを受ける場合の判断基準はなんでしょうか。

金田 手術が必要ながん治療の場合は、安心して手術を任せられるかどうかですね。腕がいいかどうかの見極めは難しいのですが、数字上の実績はある程度、公表数字から推測できるはずです。技術や人柄に不安があれば、セカンドオピニオンを考えてもいいでしょう。私の場合、結果的に放射線治療を選びましたけど、手術してもらうなら藤田先生しかいないと思って、国立がんセンター東病院に転院しましたから。

――通院している病院に、「セカンドオピニオンを受けたい」と伝えるときの注意点はありますか。

金田 セカンドオピニオンを受けたいと、現在の主治医に伝えるときは、失礼にならない言葉遣いはするべきですが、基本的には本音ベースで話していいと思います。あとは、セカンドオピニオンを受ける病院で、もともと通っていた病院の悪口は言わないこと。そんなことを言っても、いいことは一つもありませんから。

 まず、自分の印象が悪くなります。それもセカンドオピニオンの時間は30分程度なので、現在の病院の悪口なんか言っている余裕はありません。それよりも、もとの主治医に言われた病気の見立てと、セカンドオピニオンを受ける医者の見立ての違いを知ることに専念したほうがいいです。

「セカンドオピニオンは必須だ」という人もいますが、私はそうは思いません。最初に行った病院の先生が自分に合った治療法を提示してくれて、信頼できて、説明にも納得できるなら、セカンドオピニオンは必要ありませんよね。

 どうしても腑に落ちない点や、不安に思うことがあるなら、そのときは遠慮なく、違う説明を受けられそうな病院を探して意見を聞いたほうがいいです。あとで後悔することだけは、避けなければなりません。後戻りして、やり直すことができるような治療ではないので。

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