現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
初対面でする話ではない
――極端な考えを持った人って見かけませんか?
ひろゆき氏:ネット上だとたくさんいるように見えますよね。なぜなら、偏った考えの人は、それを「言いたがる」からです。たとえば、肉などを食べない「ヴィーガン」の人が、相手にも勧める場面をよく見かけます。
「肉を食べないで」「動物を苦しめないで」ということを、相手にも求めます。全員が全員ではないですが、過激な人たちが目立ちます。
でも、基本的に趣味趣向のことは人に言わないものです。初対面で性癖の話をする人って、間違いなく怪しいじゃないですか(笑)。それと同じ性質のものですから。
――それとは違うと思いますが、宗教やマルチ商法の勧誘をカフェで見たりします。
ひろゆき氏:そもそも、相手の考えを変えようとする人は、害でしかありません。
もちろん、自分の趣味について、その良さを聞かれたら素直に答えればいいと思います。それについて、相手が興味を示したら、「じゃあ、ちょっとやってみる?」と勧めればいい。
でも、相手が興味を持っていないのに、「やればわかる」「すごい人に会わせるから」などと言っておびき寄せるのは、やはり間違っていますよね。
鵜呑みにせず、ちゃんと調べよう
ひろゆき氏:ちなみに、先ほどの「ヴィーガン」の場合、個人で勝手にやるのはいいんですが、子どもがかわいそうですよね。大人になってから動物性タンパク質を取らないのは、別に問題ないと思うのですが、子どもの発育には必要な栄養素です。それを摂取する機会を奪ってしまうのは、まずいですよね。
――家庭の中はブラックボックスですもんね……。
ひろゆき氏:いちおう、「大豆などによるタンパク質で補っている」というのが彼らの主張ではあるんですがね。
また、環境問題が絡んだときにも、人は強い主義主張をしますよね。でも、環境問題を解決するには「人類がいなくなればいい」という、星新一のショートショートのようなオチがありますからね。テロリストになることが正解になってしまいます。
――強い主張を持った人とは、どう付き合うべきですか?
ひろゆき氏:距離を取ってスルーするしかないですよね。まあ、すでにみんなやられていると思いますが(笑)。その人にとってもスルーされることは慣れていますからね。ほら、ナンパ師に気を使って相手する必要はないじゃないですか。それと同じです。
僕の場合は、ちゃんと自分なりに調べて論理的に返しますけど、あまりおすすめしないですよ。
――「ヴィーガンの人」には、どんなふうに返しますか?
ひろゆき氏:そうですね……。僕たちって、医薬品を使っていますよね。それらは、数多くの動物実験によって開発されています。動物を苦しめたくないのであれば、医療や医薬品を活用することも間違いになってしまいますよね。でも、多くのヴィーガンは、病気になったら病院に行くでしょう。薬も飲みますよね。そういった現実を伝えますかね。
――極端でなくても食べ物への関心は高いと思うので、家族や友達と意見がぶつかりそうですね。
ひろゆき氏:「無農薬がいい」とか「添加物を避ける」とかもそうですよね。デメリットの部分を見ると、つい、思考が極端になってしまいます。陰謀論に近い構造ですよね。
あまり深く調べずに、「なんとなくみんなが言っているから」というのが大多数だと思うので、ちゃんと調べるクセを付けたほうがいいでしょうね。僕の考えだと、必要な栄養素についてはまだ100%の研究結果が出ていないので、「偏らずに網羅的にいろいろ食べてみる」というのが正解じゃないかと思っています。
たった1つの答えを求めてしまうと、極端な考えを押し付ける人の信者になってしまいますからね。注意していただきたいものです。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。