「How are you?」へは
シンプルな言葉で返せばいい

 英語圏での生活に慣れてくると、段々とわかってきました。「How are you?」と聞かれた時は、「I am fine.」とか 「I am well, thank you.」など、一応、「返事」はするけれど、よっぽどのことがない限り、「実は、こんなことがあって……」のように、今の状況を正直に説明するようなことはしないんです。「How are you?」と最後にクエスチョンマークが付いている疑問形であるにもかかわらず、それに対する答えがまったく期待されていないのです。

 実際の英語の会話では、「How are you?」から始まるあいさつは、それに簡単に答えて終わります。学校で習ったように、「Fine thank you, and you?」「Fine thank you.」と会話が続くケースはほとんどありません。少なくとも私は一度も聞いたことがありません。

「How are you?」という表現は、「I am fine.」といった「相手が問題ない状態であること」を前提として発せられるあいさつなのです。

 定型化されすぎて、クエスチョンマークが付いているのに実際には「質問」ではなく「あいさつ」として用いられているのです。だから真面目に答えようとすると、変な顔をされてしまうのですね。