2019年度の上位グループを見ると、東西線は199%から123%へ76ポイントの減少、横須賀線は195%から117%へ78ポイントの減少、総武線各駅停車は194%から111%へ83ポイントの減少、東海道線は193%から103%へ90ポイントの減少となり、他の路線と比べて減少幅が大きかった。

 一方、大手私鉄や地下鉄で減少幅が少なかった路線は、73%から60%へ13ポイント減少した小田急多摩線、128%から110%へ18ポイント減少した小田急江ノ島線、127%から97%へ30ポイント減少した京成本線、131%から100%へ31ポイント減少した都営浅草線などが挙げられる。

 全体的な傾向として、元々混雑していた路線ほど減少幅が大きく、そこまで混雑していなかった路線では減少幅が小さい。路線ごとに混雑率の減少幅が異なった原因としては、混雑路線として有名な路線ほど「密」を避けるために利用控えが進んだ可能性が考えられる。また、テレワークの実施率は業種によって大きく異なることから、沿線住民にホワイトカラー層が多い路線ほど減少が大きかったという面もあるだろう。

混雑率の測定方法は
事業者によって異なる

 一方で路線ごとに新型コロナの影響が一定ではないという点を見過ごすことはできない。この混雑率調査は例年、年間で最も利用者数の変動が少ない時期である9月から11月にかけて行われるが、その期間中どこで調査を行うかは各事業者に委ねられている。

 昨年の9月から11月といえば、Go Toトラベルキャンペーンが行われるなど、新型コロナへの警戒感が低下し、利用者も戻りつつあった時期であったが、調査を実施した時期によって新型コロナの影響にはばらつきがある。

 国土交通省が2020年2月以降、首都圏JR・大手私鉄の主なターミナル駅における平日ピーク時間帯の自動改札出場者数を基に発表している「テレワーク・時差出勤呼びかけ後のピーク時間帯の駅利用状況推移」によれば、コロナ拡大前の2020年2月17日の週を100とした場合、同年9月から11月は70から80の間で推移しており、単純計算で1割程度の振れ幅があることになる。

 また混雑率の測定方法も事業者によって異なり、自動改札機の通過データを基に利用者数を推定している事業者もあれば、電車の空気ばねにかかる荷重から列車ごとの乗車率を算出している事業者もあり、中には昔ながらの目視によって乗車率の測定を行っているところまであるという。例年とは異なる利用状況だっただけに、こうした測定方法の違いが影響を及ぼしている可能性も否定できない。