管理職同士の横のつながりをどうつくるか?
管理職の役割分担を明確にするとともに、管理職同士の横のコミュニケーションも変わる必要があるでしょう。
管理職はこれまでも孤独なものでしたが、自分自身も不慣れなテレワークにおいて要求されることが増え、心身のダメージからさらなる孤独に陥ることもあるでしょう。そうした場合に備えて、管理職同士がお互い気軽に相談しあえるような場を、オンライン上につくっておくことは非常に重要です。体験談を共有し、困っている人がいたらみんなで考えるような関係をつくっておくことは、いざというときに大きな支えになります。
これまでは、実は、管理職研修の場がそうした役目を担っていました。管理職同士は、同じ社内にいて会議などで顔を合わせる機会があっても、よほどのことがない限り業務の話しかしないものです。そんなメンバーが一堂に会し、研修が終わると杯を傾けながら「こんな部下がいて困っているんだけど」「こういうチームが理想なんだけど、うまくいかなくて」などとマネジメントに関する悩みを夜通し語り合うのです。気付きや励みになることも多く、その日を楽しみにしていた人も多かったことと思います。
テレワークで研修がオンライン化されたことで、そうして自由に語り合える場がなくなったのは大きな損失です。Zoomにはブレイクアウトルームなど、少人数で個別に集まって話せる場もつくれますが、やはりリアルで集まる盛り上がりには欠けてしまいます。
今後、“管理職研修の夜”のような場をオンライン上に、どうつくっていくのかは、マネージャーのメンタルヘルスを守るためにも大きな課題だといえるでしょう。「研修」そのものはオンデマンドで各々時間のあるときに映像を見るようにし、マネージャー同士のコミュニケーションに時間を割くようにする方がよいのかもしれません。
拙著『テレワーク時代のマネジメントの教科書』では、テレワーク時代に上司がもつべき心構えやスキルを紹介しております。ご参考になれば幸いです。