部長と課長が同じ仕事をしていないか?
たとえば、部長と課長といった役割も考え直す必要があります。これまでは、部長といえども“課長の延長線上”にいる意識で、現場の成果をあげるためにファーストラインで奔走している人も多かったことと思います。
けれども、これからは部長と課長の役割を明確に分けていかなければ、チームの平穏と業績を保つことは難しくなります。
もちろん部長と課長は常に連携し、お互いの情報を共有しておく必要がありますが、役割分担としては以下のような形が望ましいと思われます。
・課長
現場の最前線のマネージャーである、ということを今一度意識しなければなりません。一番大きな役割は「成果をきちんと出していくこと」です。おそらく不慣れなテレワーク下では、これだけで手一杯になるでしょう。
重要だが緊急度が低い「部下のキャリア意向」といったことにまで責任を持とうと思っても、後回しになることは目に見えています。後回しにしている間に部下の心が離れていくことを考えれば、現場の成果以外のことは部長と役割を分担し任せる方がベターです。
・部長
現場の成果を課長に任せて、ひとりひとりの労働環境、メンタルヘルス、社員同士の関係性といったことを把握していかなければなりません。定期的に全員と1on1で面談をして、業務の話だけでなく、今後のキャリア意向についても話し合い、それぞれの意向を把握しておくのも部長の役目です。「課長が頼りないから部長が出てきて現場をまわす」というのはよくあることですが、役割を決めておかねば、責任の所在がわからなくなり、混乱するばかりです。課長と同じことをしていないか点検する必要があります。