FP税理士の見分け方#10Photo:PIXTA

実はFPには「法的にやれないこと」が多い。税理士や弁護士の業務を侵食してはならないという明確な決まりがある。それでも、現状では法の壁を乗り越えてアドバイスをしてしまうFPもおり、税理士側からは「知識の浅いFPなら、間違ったアドバイスすらある」と反発の声も上がる。現場では何が起こっているのだろうか。特集『悪質?使えない?FP&税理士の見分け方!』(全10回)の最終回では、その混乱を利用者側が避ける手だてやFP側が持つべき心得を紹介していく。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)

FPに「税務相談」を
してはいけない

 何かの金融商品を選ぶとき、相談に乗ってくれているファイナンシャルプランナー(FP)が、あなた自身の資産や収入の具体的な数字を基に計算し、「あなたの場合は、これだけ税金がお得になるから、この商品を選んだ方がいいですよ」と勧めながらアドバイスしたとする。

 実はこれが「アウト」なのをご存じだろうか。

 税の話題に限らず、FPには「法的にやれないこと」が多い。税理士や弁護士など、士業の業務を侵食してはならないという明確なルールがあるのだ。それでも、現状では法の壁を乗り越えてアドバイスをしてしまうケースもある。

 よく聞かれるのは、やはりお金を中心に扱う士業である税理士の業務へのFPによる“領空侵犯”だ。その状況に対して税理士側からは「知識の浅いFPの場合、間違ったアドバイスすらある」と反発の声も上がる。

 現場では何が起こっているのだろうか。利用者側が避ける手だてはあるのか。FP側が持つべき心得とは?論点を整理しながら見ていこう。