それは、「魔法の13文字でお願いをしてみなさい」というものだった。

 文書というのは、どうしても口語体より堅くなる。

 堅くなればなるほど、売れないセールスレターになってしまう。

 とはいっても、軽々しい口語体だと、用心深い消費者から敬遠されてしまう。

 しかしながら、「お願いコトバ」は別だ。

 なぜなら、人が好意を感じた相手は、自分が「頼みを聞いてあげたばかりの相手」という心理状態から来ている(『最強のコピーライティングバイブル』p203)。

 書き手がお願いをすることで、必然的に読み手を「上座」、書き手を「下座」に位置づけるのである。

 過去の検証結果に頼れず、かといって堅すぎる新商品案内に偏らず、読み手である顧客が気持ちよく頼みを聞くようなキャッチコピーはどう描き出せばいいのか?

 論より証拠、実際のキャッチコピーを見てみよう。

「1つお願いがあります!」

社運を賭けた新商品を完売させた魔法の13文字とは!?(出典:エリカ健康道場LPより)

 キャッチコピーは『優光泉をご愛飲頂いているお客様へ1つお願いがあります!』とし、その後すぐに『和漢を使ったペーストタイプの酵素を1週間お試しいただけないでしょうか?』と社長である北島さんご自身が『お願い!』と聞こえてそうなたたずまいで登場している。

「1つお願いがあります!」は、感嘆符を含めちょうど13文字だ。

 さて、気になる結果は…。

「大変なことになっています(汗)」で始まったメールの後は、興奮した様子でこんな吉報がつづられていた。

「おかげさまで、当初用意した在庫はまたたく間に完売。急ぎ追加した分も含め、たった3日で目標の10倍が完売しました!

 お願いをされた読み手が気持ちよく頼みを聞いた格好で、大成果となったのである。

売れるコピーには「型」がある

 実は熱心な相談をしてきた社長さんへのアドバイスは、思いつきではなく、筆者なりの検証結果に基づいたものだった。

 目標の10倍を売り切った「1つお願いがあります!」というコピー、これは拙著『最強のコピーライティングバイブル』にあるキャッチコピー「最強35の型」の中の型32:広告主から相手に直接語りかける型33:特定の個人やグループに呼びかけるを巧みに掛け合わせて作られている。

 そう、売れるコピー、人を惹き付けるコトバには「型」があるのだ。

 もし、さらなる法則・テクニック等について興味があれば、拙著『最強のコピーライティングバイブル』(ダイヤモンド社)を一読されることをおすすめする。

 13文字のコトバの実例はもちろんセールスレター、キャッチコピーを含め、絞り込んだ法則を24業種100の成功実例で解説している。

 法則→事例→効果の3点を理解することで、すぐに現場で再現できるはずだ。

(事例提供:株式会社エリカ健康道場/執筆協力:小林優也)