ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁#5Photo:PIXTA

国内生命保険最大手である日本生命保険は大林組と関係が深く、その歩みはまるで、熟年夫婦のようだ。一方で、損害保険最大手である東京海上ホールディングスが本店ビルの建て替えを決めている。東京海上を射止めるゼネコンは?特集『ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁』(全15回)の#5では、メガバンクや生損保など大手金融機関とゼネコンの結び付きを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

関西出身の日本生命と大林
東京でも二人三脚

 国内生命保険最大手である日本生命保険は、非財閥系の金融機関の中で群を抜いて規模が大きい。本業の生保だけでなく、不動産の保有規模も国内金融機関の中で最大規模を誇る。そんな日本生命をがっちりつかんで離さないのが、同じ大阪を地盤とする大手ゼネコンの大林組である。

 日本生命の創業者である弘世助三郎氏の邸宅が兵庫県神戸市東灘区の住吉にあり、大林組の創業家は近隣の御影に住んでいた。同じ関西に地盤を持ち、東京でも二人三脚で歩む様子は、まるで熟年夫婦のようである。

 日本生命はオフィスビルや物流倉庫まで手掛けており、いろいろなゼネコンに工事を発注している。しかし、重要案件は必ずと言っていいほど、大林組が請け負っているのだ。

 2000年代以降の日本生命の大きな不動産関連のプロジェクトを見ても、ことごとく大林組が受注している(次ページ表参照)。